今年は中国が「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)イニシアチブを掲げてから5年目となる。この5年間で、国際社会の一帯一路への認識と理解が徐々に深まった。一帯一路は中国版マーシャルプランではなく、互恵・ウィンウィンの、利益と運命の共同体の構築を目的とする協力だ。英フィナンシャル・タイムズが9日、伝えた。

米国では現在、多国間主義を放棄する強い願いが生まれている。国際条約や国際機関から脱退(もしくは脱退すると脅迫)する一方で、世界の貿易戦争を引き起こしている。

その一方で中国は世界金融危機後、貿易・経済で過度に西側に依存するのは危険だと意識した。中国は西側以外の国との協力の強化を必要としている。その結果、中国は世界でより活発化し、影響力ある計画を推進している。うち最も重大なのは、2013年に掲げられた一帯一路だ。

一帯一路をマーシャルプラン、米国が1948年から52年にかけて西欧諸国を対象に行った復興援助計画と比べる者もいる。彼らは、一帯一路が中国の地政学的ツールになり、受益国で徒党を組み西側と対抗することを懸念している。

マーシャルプランは冷戦の発端とされている。しかし一帯一路は新たな敵対する時代の到来を意味しない。

まず、共通の価値観は国際秩序を維持するための前提条件だ。一帯一路の精神は、人類運命共同体を構築する価値観を強めた。このインスピレーションは、中国自身及び世界の歴史と文化のつながりを源泉としており、国際社会の平和と発展への期待に合致する。一帯一路は実施において、対話と協力により共同成長を実現する原則を守る。多くの人が力を合わせれば物事は立派に成功する、ということわざの通りだ。

マーシャルプランは当時、受益国となる西欧16カ国と協力し、共産党関係者をこれらの政府から排除することで、共産主義とソ連の欧州での拡張をけん制するツールになった。この意義から論じると、一帯一路はマーシャルプランよりも包摂的で、各種文明を受け入れる。

次に、一帯一路は安全や軍事への潜在的な影響力を持たない。その基本目標は5つの当局間重点協力分野に打ち立てられており、中心となるのはインフラの相互接続だ。「五通」(政策の意思疎通、インフラ施設の連結、貿易の円滑化、資金の調達、民心の通じ合い)は人、企業、社会、各国政府を含む協力枠組みを形成しているが、軍事面に潜在的な影響力を持たない。対照的に、マーシャルプランはNATOという軍事計画を生み、協力してソ連をけん制した。

70年以上前、ソ連は米国からの敵対行為に対抗し、その影響力をけん制することを決定し、西側諸国に背を向けた。中国は現在、新たな冷戦を発動するつもりはない。

歴史を振り返ると、中国は多くの世紀に渡り、世界の権力の仲立ちとしての役割を演じている。しかし中国は朝貢制度によって各国と交流し、尊重されることで自国の優位を維持しようとした。これは世界は勝者と敗者のゼロサム体制ではなく、調和的かつ多元的な世界であると中国が考えることへの理解の一助になる。

一帯一路は現在、世界的に大きな磁力を生んでいる。多くの国が一帯一路に引きつけられている。中国と二国間協定を締結し、さらには国連やその他の国際フォーラムで同イニシアチブを支持している。フランス、スペイン、英国を含む米国の伝統的な同盟国も、一帯一路に興味を示している。さらには米国の内部でも、中国主導の同イニシアチブへのさらなる参与を呼びかける声がある。

残念ながら、米国のトランプ政権は米国を戦後レジームの被害者と見なしている。この秩序は米国が数十年前に形成を促し、指導してきものだ。米国は全世界を相手に未曾有の貿易戦争を仕掛ける前に、この秩序を破壊する決意を下したようだ。

米国が自国の道を歩むと同時に、中国は一帯一路の枠組み内で相互接続の推進に力を入れている。そのため我々は新たな冷戦の幕開けではなく、新たな世界秩序を目にしている。これは人類にとって喜ばしいことだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月10日