米国のトランプ大統領と朝鮮の金正恩国務委員会委員長が12日にシンガポールで会談し、共同声明を発表した。共同声明で米朝双方は新たな関係の構築、朝鮮半島における恒久的で安定した平和メカニズムの構築を約束。米側は「朝鮮に安全の保証を与えること」を約束し、朝鮮側は「朝鮮半島の完全非核化への確固として揺るぎのない約束」を再確認した。双方は共同声明を速やかに実行に移すことでも合意した。トランプ大統領は記者会見で、米韓合同軍事演習の停止を検討すると表明した。今回の会談で得られた前向きな成果は、朝鮮半島の非核化及び平和・安定にとっても具体的メリットがある。(文:賈秀東・中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

今回の共同声明における、二国間関係、平和メカニズム、非核化に関する文言は、2005年9月19日の第4回6カ国協議共同声明の範疇を超えるものではない。6カ国協議共同声明で各国は、平和的方法による朝鮮半島の検証可能な非核化の実現を再確認した。朝鮮側は全ての核兵器及び核計画の放棄を約束した。米側は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、朝鮮に対して核兵器または通常兵器による攻撃または侵略を行う意図を有しないこと等々を確認した。

両者を比較すると感慨に堪えない。朝鮮半島において歴史は10年余りの曲折を経て再び原点に戻ったようだ。1994年の米朝枠組み合意も振り返ってみると、その後20年余りの朝鮮半島問題における様々な波瀾は決して人々が望んだものではなかったが、確かに発生しまったものだ。これには少なくとも4つの啓示がある。

(1)朝鮮半島問題は流れに逆らって舟を進めるようなもので、進まなければ押し戻されてしまう。10数年間、朝鮮は核実験とミサイル実験を立て続けに実施し、米韓は大規模な合同軍事演習を絶えず実施し、緊張は交互にエスカレートし、悪循環が起き、事実上共に安全上の窮地に陥り、本来自らをより安全にしようとしたものが、かえってより安全でなくしてしまった。

(2)米朝はこれまで互いに信頼しておらず、共通認識も合意も基礎が脆弱で、わずかな異変が生じただけで頓挫する可能性があった。どちらか一方の合意履行が不完全で、断固たるものでなかったり、想定外の問題が生じれば、各国の長年の努力が水泡に帰す可能性があった。米側の政権交代、各政治勢力の駆引きや妨害も、往々にして合意の実施にトラブルをもたらした。朝鮮半島問題の解決には、信頼醸成措置と揺るぎない政治意志が必要不可欠であることは明らかだ。

(3)6カ国協議声明の確立した原則、理念、道筋は時代遅れではなく、今なお現実的指導意義を持つ。例えば、対話と協議を通じた各国の懸念の均衡ある解決の堅持、同時的かつ対等で、足並みを揃えた、段階的な合意の実行の堅持、約束対約束、行動対行動の原則の堅持などだ。これは各国の受け入れやすさに配慮するうえで助けになる。今もなお、米朝などの安全上の懸念を同時的、段階的に解決することが最も実行可能な策だ。

(4)中国側の「相互停止」提案と「デュアル・トラック」アプローチは確実で実行可能なものだ。現在の情勢の推移はまさに「デュアル・トラック」アプローチに沿って前進している。国連安保理の対朝制裁については、制裁の停止または解除を含め、必要に応じた調整が完全に可能だ。制裁自体が目的ではなく、安保理の行動は現在の外交対話及び朝鮮半島非核化の努力を支持し、これに歩調を合わせ、政治的解決プロセスを後押しするものであるべきだからだ。

今回の朝米首脳会談及びその成果は、朝鮮半島の非核化及び平和プロセスを推進する正しく重要な一歩だ。朝鮮半島の隣国及び重要な関係国として、中国側は関係各国と共に、朝鮮半島の非核化及び長期安定・平和の実現推進に引き続き尽力したい。各国は朝鮮半島情勢の前向きな勢いを大切にすべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年6月13日