いつの間にか、原子力エネルギーの暖房供給が私たちの生活に入っている。11月9日、国家エネルギー原子力エネルギー熱供給商用モデルプロジェクト2期の450万平方メートルのプロジェクトが山東省海陽市で稼働を開始した。暖房供給範囲は海陽市全域の住民20万人に及び、海陽市は全国で最初に「二酸化炭素排出ゼロ」の暖房供給を実現した都市になった。また、暖房費は建築面積1平方メートルあたり1元安くなった。

安全性の観点から言うと、原子力エネルギーの暖房供給は完全に保障されている。「原子力」と聞くとまず安全面が気になる。実は、原子力エネルギーの暖房供給は石炭発電と同じ原理で、どちらも発電所の余熱を利用する。主に原子力ユニットの2回路から蒸気を抽出し熱エネルギーにし、発電所内の熱交換所と発電所外の熱供給企業の熱交換所で多段階の熱交換を行い、市政熱供給管を通ってエネルギーをエンドユーザーに届ける。原子力発電所と暖房供給ユーザーの間には複数回路の隔離があり、暖房供給業者と暖房設備業者の間にはエネルギー交換のみで、媒質伝送は一切存在しない。よく知られている「自己発熱火鍋」は下が加熱層、上が食物層で、間が物理的に断絶されており、下の加熱材には加熱作用しかなく、上の食材に触れたり、鍋の中に混入したりすることはない。

原子力エネルギーの暖房供給は新鮮なものではなくなっている。国内外の原子力エネルギーの暖房供給の実践状況を見ると、その安全性と信頼性は証明されている。1970年代、ロシア、ブルガリア、スイス、ルーマニアなどの国は多くの原子力エネルギー熱供給システムを研究開発し、地域の集中熱供給や工業の熱供給源として豊富な経験を積み重ねてきた。電力1単位あたりの死者数で計算すると、原子力エネルギーの危険性は石炭、石油、バイオマスエネルギー、天然ガスより低い。

原子力エネルギーの暖房供給の発展は必要なことである。統計によると、中国の冬の暖房供給面積は年平均約10%増加し、2019年末時点で、全国の集中熱供給面積は110億平方メートルに達した。北部都市の暖房供給によるエネルギー消費は1億9100万トン標準石炭で、建築物の総エネルギー消費の約4分の1を占める。北部の暖房供給需要は急速に増加しているが、熱エネルギー源は減少し、原子力エネルギーを含むクリーンエネルギーの暖房供給の発展に力を入れる必要がある。原子力ユニットは熱効率が高く、二酸化炭素を排出しない。専門家は、沿海の原子力発電の余熱を利用することで、沿海から内陸まで200~300キロメートル範囲内、約70億平方メートルの建築物の冬の熱供給需要を満たすことができると推算している。これは中国北部都市の未来の熱供給量の3分の1に相当する。

ダブルカーボン目標を達成するため、中国は排出ゼロのエネルギー体系を構築する必要があり、余熱利用水素生成、クリーン暖房供給、クリーン産業ガス供給などの技術の向上が求められている。新エネルギーが短期間でエネルギーシステムに十分な量を提供できないことを考えると、原子力エネルギーは低炭素エネルギー供給の重要な補充源となる。中国の原子力発電の「単一電力供給」形式は新しいエネルギー体系に対応できない。「第14次五カ年計画」と2035年長期目標綱要は、山東省海陽市などのエネルギー総合利用モデルを実施し、中国の原子力エネルギーの発展に新たな道を開拓することを打ち出した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月25日