各国で最近、早期の新型コロナウイルスに関する新たな発見があった。これはその感染起源及び感染拡大に関する学界の新たな思考を引き起こした。

イタリアのミラノ大学が中心となる国際研究チームは「British Journal of Dermatology」で、同国の皮膚病患者(若い女性)の2019年11月10日の生検検体から新型コロナウイルスのゲノム配列を発見したと報告した。この結果によりイタリアで「0号患者」が発生した時期が19年11月に再び遡ることになった。イタリアで初めて新型コロナウイルスの感染者が報告されたのは昨年1月30日で、現地の感染者は昨年2月21日に報告された。

同研究チームの責任者、ミラノ大学のジアノッティ氏はメディアに対して、「今後の研究ではさらに、19年11月より前の新型コロナウイルスに感染した検体が見つかる可能性がある。研究で見つかった一部の感染者の症状が皮膚病に留まっていることから、大流行前の皮膚病患者のうち新型コロナウイルスの感染者がいなかったかを調べたい」と述べた。

ミラノ大学の別の研究チームは昨年12月、米誌「Emerging Infectious Diseases」で、19年9月から昨年2月までに集めた39点の咽頭ぬぐい検体の検査を行ったと報告した。これらの検体は、麻疹の疑いがあったが検査で陰性だった患者のもの。その結果、イタリア・ミラノ近郊在住の4歳の男児の検体が、新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示した。

この咽頭ぬぐい検体は19年12月5日に採取された。男児はそれまでしばらく旅行していなかった。研究者がウイルスのゲノムシーケンシングを行ったところ、ウイルスのゲノム配列が武漢で発生した新型コロナウイルスの参考配列と100%一致した。研究者は、この感染の時期が、イタリア政府が先に発表していた、同国初の感染者の確認時期よりかなり前であることから、19年の晩秋にイタリア及び一部の欧州諸国で新型コロナウイルスが発生していた可能性があると推測した。

米疾病予防管理センター(CDC)の研究者は昨年11月30日、月2回刊学術誌「Clinical Infectious Diseases」において、19年12月の一部の米国人の献血検体に新型コロナウイルスの抗体が存在していたと報告した。これは新型コロナウイルスが当時、すでに米国で発生していた可能性を意味し、米政府が初の感染者を報告した時期よりも前であったことを意味する。

この研究において、CDCの研究員は米赤十字社が19年12月13日から20年1月17日にかけて集めた7389点の血液検体(全米9州の献血者の検体)の検査を行った。その結果、106点に新型コロナウイルスの抗体が含まれ、うちカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州は39点で、採取の時期は19年12月13日から12月16日。マサチューセッツ州やミシガン州などは67点で、採取の時期は19年12月30日から20年1月17日。

米国で初の感染者が報告されたのは昨年1月21日。新たな研究は、19年12月に米国の一部の地域で個別の感染者が出ていた、もしくは一部の人が体内に新型コロナウイルスと結合する抗体を持っていた可能性があると推測した。

人体からより早期の感染の手がかりが見つかっているほか、廃水の研究も新型コロナウイルスが早い段階に存在していた可能性を示している。新型コロナウイルスの遺伝物質は感染者の排泄物を通じ廃水に入った可能性がある。廃水に基づく疫学研究は、ウイルスの感染状況への理解を深める。

スペインが初の感染者を報告したのは昨年1月31日で、現地感染者の報告は昨年2月25日。ところが同国の研究者は19年3月12日に採取した廃水サンプルから、新型コロナウイルスの痕跡を発見した。

スペインのバルセロナ大学は昨年6月26日、次の情報を発表した。同校が率いる研究チームは、18年1月から19年2月の廃水サンプルの分析を行った。その結果、19年3月12日に採取された廃水サンプルが、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応を示した。ただしウイルスの数は非常に少なかった。これは新型コロナウイルスが当時、すでにバルセロナに存在していた可能性を意味する。この時期は世界で初の感染者が報告された時期よりもかなり前だ。

スペインの他に、ブラジルとイタリアの研究者も現地で最初の感染者が発表された時期よりも前の廃水サンプルから、新型コロナウイルスが存在していた痕跡を発見した。

ブラジルのサンタカタリーナ連邦大学は昨年7月2日、次の研究報告を発表した。同校が率いる研究チームは、州庁所在地のフロリアノーポリスで19年11月27日に採取された廃水サンプルから、新型コロナウイルスの遺伝物質を検出した。これはアメリカ大陸で初の感染者が報告された時期より約2カ月前で、ブラジルで初の感染者が報告された時期より約3カ月前だ。

イタリア高等保健研究所は昨年6月18日、新型コロナウイルスが19年12月にイタリア北部で発生していた可能性があるとの情報を発表した。情報によると、同研究所は水質衛生観測などの部門の専門家と、19年10月から20年2月にかけて採取された40都市の廃水サンプルを分析した。その結果、19年12月18日に採取されたミラノとトリノの廃水から、新型コロナウイルスの遺伝物質が検出された。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月13日