フィナンシャル・タイムズ(FT)は記事の冒頭で「ウォールストリートの最も実力ある金融機関が、中国のファンド管理などの金融サービス業への展開を急ピッチで進め、中国の開放に向かう資本市場から利益を得ようとしている」と論じたが、この観点を支える次の事実がある。

世界最大の資産運用会社のブラックロックは先月、中国のある国有銀行との合弁会社の設立を認められた。

競合関係にある資産運用会社のバンガードはその数日後、地域本部を上海に移すと発表した。

シティグループは初めて中国でファンド保管許可証を獲得した米国系銀行になった。

JPモルガンが中国の合弁ファンド会社の現地パートナーの全株式を取得する件についても、詳細な情報が浮上している。

FTの報道と呼応するように、中国銀行保険監督管理委員会の公式サイトは、8月22日に次の情報を発表した。

当方は2018年以降、外資系銀行及び保険会社の中国における100社弱の各種機関の設立を許可している。これには外資単独投資もしくは株式取得の保険会社と資産運用会社が含まれる。

今年上半期に、世界各地の多くの有名・優秀外資系銀行及び保険会社が設立許可を受けた。

米国のブラックロック、建信理財有限責任公司、シンガポールのテマセク傘下の富登管理有限公司が上海で合弁で設立した、外資が経営権を握るブラックロック建信理財有限責任公司がその一例だ(FTの上述した記事の通り)。

米エース・グループが華泰保険集団の株式を46.2%まで追加取得し、その最大の株主になった。中仏合弁、中豪合弁、中英合弁の外資系保険会社3社も専門の資産運用会社を設立した。

韓国の大韓再保険が中国で再保険子会社を設立した。

銀行保険監督管理委員会は約10日後、公式サイトで再び公告を発表し、日本の上田八木短資株式会社が北京で全額出資の上田八木貨幣経紀(中国)公司を設立することを許可した。

金融大手が期せずして共に中国市場に期待し、進出のペースを上げている理由とは何だろうか。

まず、中国経済そのものの大きな魅力であることは間違いない。

世界最大規模で、最も成長性の高い中所得層がおり、ジャンルが最も揃った産業体系がある。中国の家庭による従来の資産運用方法が伝統的で(ゴールドマン・サックスの推算によると、中国の世帯資産のうち株投資及び投資信託が占める割合は7%のみで、米国は32%。中国の世帯資産の3分の2が不動産で、5分の1弱が現金と預金)、今後の発展の余地が残されていることから、「中国の資産運用が外資系企業が求める聖杯になっている」という。

次に、中国の金融業対外開放が目に見えてペースアップしている。

銀行保険監督管理委員会は2018年以降だけでも、銀行業・保険業対外開放の34の措置を打ち出した。関連法規・制度の改定が現在ほぼ完了しており、監督管理フローも絶えず改善され、審査・許可のペースが大幅に上がっている。対外開放水準が着実に向上している。外資が中国で新設する機関の数が大幅に増加しており、特に一連の専門的かつ特色あふれる機関が次々と進出している。

それから、ポストコロナ時代に中国経済が先に回復し、靭性を示し、投資家のマインドを改善した。

米CNBCの先ほどの報道によると、業界内の調査の結果、中国のサービス業が8月に4カ月連続の回復の流れを維持し、各社が1月以降で初めて採用を拡大したことが分かった。ゴールドマン・サックスは11日に発表した報告書の中で、「中国の製造業における全体的な優位性に変化なし」と指摘し、影響を受けるのは労働集約型産業に限られるとした。世界最大の公募ファンド管理会社であるバンガードは、最新の市場・経済展望の中で、米国経済の今年の成長率はマイナス7−9%で、中国経済は1−3%の成長になると予想した。デロイトトーマツの予測によると、公開・登録されているファンドの資産運用額は、2023年までに3兆4000億ドルに達する可能性がある。コンサルティング会社のCasey Quirkは、2023年までに中国が英国を抜き、世界2位のファンド市場になると予想した。

感染症は多くのリスクと圧力をもたらしたが、その試練を乗り切った中国市場は他にはないより大きな魅力を示している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年9月16日