今月2日、タイで東アジア首脳会議に出席中の尹淳九次官補とスティルウェル米国務次官補(アジア太平洋担当)が会談した。双方は「韓米は引き続き新南方政策及びインド太平洋戦略の相互協力に向け共に努力する」とする声明を発表した。韓国がインド太平洋戦略の参加について明確に立場表明したのはこれが初。韓米のこの共同声明には、次の内容が含まれる。エネルギー協力拡大により地域の反映を促進する。共同融資で地域のインフラ整備を促進する。デジタル経済・平和・安保などの各分野での協力を強化する。

韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効20日前に米国と共同で発表されたこの声明には、韓国側の苦心が満ちている。「曹国辞任」で大きな影響を受ける文在寅政権は、国民の注目をそらし、外交面で進展を目指す必要がある。米国とのインド太平洋関連協定の締結は、韓国にとって次の3つのメリットがあると思われる。

まず、インド太平洋戦略への参加により、韓米の戦略的な連携を強化し、米国との軍事同盟関係をさらに強化し、在韓米軍問題や韓日の問題による韓米の対立の印象を和らげることができる。

次に、韓国の「新南方政策」とインド太平洋戦略の連結を強調することで、前者の国際的な影響力を拡大した。これは韓国と東南アジア、南太平洋島嶼国などのインド太平洋戦略内の各国との関係強化を促す。

それから、中国の地域における影響力を相殺できる。2.0版のインド太平洋戦略は安全と経済の内容を含む。そのためインド太平洋戦略に参加することで、韓国は中国に対する技術の優位性を維持し(これは今回の共同声明の5G技術に関する内容から読み取れる)、また韓国の東南アジアなどの地域における中国との競争力を強化できる。

米国にとっては、アジア太平洋で存在感を維持すると同時に、支出を減らす必要がある。日本や韓国などの同盟国に対して米国と戦略的な一致を求め、米国が担っていた責任の一部を負担させる。これは現在のトランプ政権の方針だ。

そのため米国側は今回、米国側の「有事」の際に韓国側に支援を提供するよう求めた。韓米のインド太平洋における協力の強化も、米国にとっては一種の必然性を持つ。

韓国にとって、米国の「有事」の際の援護にせよ、米国が推進するインド太平洋戦略との連携にせよ、いずれも大きなリスクを秘めている。韓国は米国の「戦車」により強く縛り付けられ、外交及び安全事業における韓国の自主性がさらに弱回る。

インド太平洋戦略の推進において、韓国が見せかけだけで力を入れなければ米国の信頼を失い、米国から強い圧力を受ける。米国による中国包囲・けん制に積極的に協力すれば、THAAD配備問題により損なわれた中韓関係をさらに悪化させ、地域の安全と安定を脅かすことになる。韓国の政治家はこれを熟慮しなければならない。(筆者・楊丹志 中国社会科学院地域安全研究センター主任補佐)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月8日